革素材

協伸株式会社は飛騨牛レザーを使用しています about HIDA Leather


飛騨牛レザーのサステナビリティ(持続可能性)について

ここ数年、世界的な天然皮革素材への需要の低下、および大量の水質環境汚染等により一部の国では食肉の副産物である皮が消費場所を失い、土に埋めたりなどして処分をされている現状が起きていることをご存知でしょうか?

近年、サスティナブル・ファッションという言葉が浸透しつつあります。しかし残念ながら天然皮革素材=殺傷、または環境汚染が酷いというイメージがまだ根強く残っているのが現状のため、天然皮革素材を使わないと発表した世界的ブランドもあります。実はこれは真逆で、天然皮革製品こそサスティナブルな素材でエコに繋がっていると自信を持って言えます。

皮は食肉の副産物。アメリカでは月に約248万頭、日本では月に約10万頭が牛肉として消費されています。革製品を作るためだけに殺処分されている訳では、決してないのです。天然皮革製品はその副産物の素材として再利用されるべく鞣され、命を最後まで価値のあるものへと “形”をかえて付加価値をつけています。

また、以外と知られていないのが、鞣し・染色や仕上げ工程で使用出来る薬品にも厳しい基準が設けられています。*自社では最も厳しいとされる欧州の基準を満たした薬品を厳選して使用する等環境に配慮しています。

自社が創業している姫路市では、皮革地域専用の地域別に協同の汚水前処理施設もしっかり姫路市と協力して、各地域の組合で管理されています。こういった環境への取組みや施設などがしっかりと設備された国は、日本とイタリアのみ。日本のタンナーはしっかりと環境問題も視野に入れながら伝統を繋いでいるのです。



「環境負荷を下げるためには、原材料まで遡る必要がある」

協伸株式会社では岐阜県のアルプス山脈の麓・飛騨地方で肥育される黒毛和牛である飛騨牛の原皮を素材とした飛騨牛レザーを生産しています

革を生産するうえで環境に与える影響を考えたときに、その大部分は家畜などのサプライチェーンに直接関係するものであり、日本国内で世界に誇れる最高級品質の本物を生産する為には、最高級品質の原材料原皮まで遡る必要があると考えています。

自社の取り組みである飛騨牛レザーの場合、屠場から出た原皮は一般的な塩蔵処理ではなく1時間以内に急速冷蔵処理を行う急速チルド方式(2℃程度のギリギリ凍らない温度帯)によって処理・保存されます。これによるメリットとして鞣しをする際に必ず必要であった大量の塩を洗い流す工程を省く事による節水と工程の簡素化、またそれ以上に汚水処理時に関して、BOD・CODの値を下げる等、環境に優しい鞣し方法を構築する事ができました。

また、全ての家畜牛は個体識別番号を持ち厳格に管理され、厳密な衛生管理検査を経て屠場から排出されて原皮は100%全て買い取る事により、土に埋めて破棄をするといった事が無い様に、全ての牛の皮を責任を持って”革”へと鞣し、命の副産物である”革”をこれからも大事に作り続けていく事が我々の使命であると考えています。

従来型のサプライチェーン


飛騨牛レザーのサプライチェーン

飛騨牛の革の特徴

1. 基本的に雄牛である為に牛革の繊維がメス牛よりも太くて緻密なので、靴・鞄などの革製品に使用した時に革の天然繊維が伸びなくて長年使用しても革の繊維が緩まず高級素材として評価が高い。

2. 飛騨牛の肉は最高級品とされており、革素材としての繊維の緻密さは言うまでもなく高級品と同等であり、和牛の特性である程よい脂肪分があり柔らかくてしなやかな革になる。

3. 海外や国内の他府県での一般的な肉牛の生育期間は2年~3年と長く、飛騨牛の大きな特徴として原則的に生育期間は2年前後となり、一般的よりも半年~1年も生育期間が短い。当然ながら生存期間が短いと、その間に起こる牛の表面に付く傷などが当然少なくなる。また、雄牛の皮繊維も機密で最高の状態を保っている。

4. 日本でも有数の山岳地帯であるアルプス山脈の麓できれいな空気を吸い、厳密な管理の元、ストレスの少ない方法で飼育されている為牛の肌目も細やか。